音痴の治し方/音痴を治すトレーニング

音痴の治し方/音痴を治すトレーニング

「他人から音痴と言われたことがる」「自分って音程悪いのかな?」などで悩んでいませんか?

この記事では、歌唱指導歴18年の筆者がこれまでの経験に加え、トレーニング方法のサイトを検証し、初心者でも分かりやすいトレーニング方法をお伝えしていきます。

音痴は先天的なもので治らないと思っている人も多いようですが、ちゃんとトレーニングすれば音痴は治らないものではありません。

あせらず確実にトレーニングを積んで、人前で自信を持って歌えるようになりましょう!

音痴とは何か

一般的に「音痴」とは、正しく音程がとれないことを指しますが、大きく分けて「運動性音痴」と「感覚性音痴」の2種類のメカニズムがあります。

運動性音痴

運動性音痴は、正しい音程を聞き取れているが、いざ声を出してみると「違う音が出てしまう」「思った音が出せない」という状態です。

「喉音痴」とも言われ、音が外れていることが自分で分かる人はこちらのタイプになります。

歌うために必要な身体ができていないことと、音域が狭いことが大きな原因です。

声枯れなど一時的な喉のトラブルによるものは当てはまりません。

「発声音痴」や「リズム音痴」と言われるものも運動性音痴に含まれます。

発声音痴は滑舌の悪さや声量、音域の問題が原因です。

リズム音痴は、カラオケのリズムや速度とズレてしまう状態で、カウント(拍子)を一定に保てないことや、そもそもカウントが分かっていないことが主な原因です。

感覚性音痴

感覚性音痴は、「正しい音程が聞き取れない」「自分が出している音が合っているのかどうか分からない」という状態です。

「耳音痴」とも言われ、聞き取る能力が低いことが原因で、感覚性音痴の人は音が外れていることが自分では分かりません。

半音程度のズレであれば当てはまりませんが、1曲通して半音ズレていたり、一定の音だけが常にズレる場合は運動性音痴に当てはまります。

音痴かどうか確かめるには

カラオケの音量が大きすぎて自分の声が聞き取れないときは音を外してしまうことがありますが、その場合は音痴とは言いません。

自分が音痴かどうか分からない人は、音程バーのあるカラオケシステムでカラオケの音量を下げて歌ってみるのも確かめる方法のひとつです。

音痴の改善方法に限らず、ヴォイストレーニングは本来とても地味で、しかもすぐに改善が現れるものではありません。

時間はかかりますが、トレーニングをすることで音痴は改善できるので諦めずにトレーニングを続けましょう。

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音痴の原因

音痴について2種類のメカニズムを紹介しましたが、ここからはそれぞれの原因と治し方について詳しく解説していきます。

ヴォイストレーニングの基礎的な部分にもなりますので、しっかり理解してください。

治すのが可能な音痴と治すのが難しい音痴

音痴はトレーニングによって改善できますが、治すのが難しい音痴もあります。

音階を感じる大脳の神経発達障害により先天的に音階を持たないケースがあり、このタイプの音痴は改善がかなり困難です。

「先天的音楽機能不全」と言われ、肉体的・精神的に健全で、音楽的能力のみ劣っていることを指します。

ただし、このタイプは「リコーダーの音階が全部同じに聴こえる」など、音の高低差が分からない状態であり、ごくまれなケースです。

心配な場合は脳神経外科や耳鼻咽喉科、精神科で診断してもらいましょう。

一般的に言う音痴とは「音程音痴」のことで、運動性音痴と感覚性音痴のことを指します。

感覚性音痴に比べ、運動性音痴は比較的はやく改善できます。

運動性音痴の原因と治し方

運動性音痴は歌うために必要な身体ができていないことが原因です。

歌うために必要な身体とは、喉の開きや共鳴、声量、音域の幅に加え、腹式呼吸ができているかということも含まれます。

音を聞き取る能力はあるため、自分の音が外れていることが分かる人がほとんどなので、基本的なヴォイストレーニングをして歌うための声を出せるようになれば、音痴は改善できるでしょう。

歌を歌う前に、歌うための声を出せるようになることが必要なのです。

また、「音程が悪い」「音程が不安定」という人に多い問題に、声量の小ささがあります。

音域が狭いと思っている人も、実は声量に問題のある場合があります。

初心者は小さな声で歌うと喉が開かなかったり、お腹に力が入らなかったりして正しい音よりもわずかに低い音になってしまうことがよくあります。

特に高音は「高い」と思うと身体が緊張してしまい、喉をしめ付けてしまうことが多いのです。

おっかなびっくり声を出すと不安定になり、音程を外してしまいます。

思い切って大きな声を出してみると、意外とすんなり出る場合がありますので試してみてください。

ただし、いきなり大きな声を出すと喉を痛めるので、ウォーミングアップをしっかり行ってから声を出すようにしましょう。

後に紹介する基本的なヴォイストレーニングはウォーミングアップにもなるので参考にしてみてください。

歌を練習する場合は、しゃくりやフォール、ビブラートなどのテクニックは取り入れないで、1音ずつしっかりと音程を合わせることに集中します。

感覚性音痴の原因と治し方

一方、感覚性音痴の場合は改善するのに時間がかかります。

感覚性音痴は聞き取る能力が低いことが原因です。

加えて運動性音痴であることも多いので、余計に改善に時間がかかってしまうのです。

地味なトレーニングのうえに時間がかかるため途中で諦めてしまう人が多く、そのことが「音痴は治らない」と思われている要因のひとつと言えるでしょう。

感覚性音痴の人は、育った環境も大きく影響しています。

幼い頃から家で音楽が頻繁に流れている環境で育った人は、音を聞き取る能力が自然に養われますが、家で音楽があまり流れていない環境で育った人は、音を聞き取る能力があまり養われずに成長してしまいます。

これは、もの静かな両親のもとに産まれた赤ちゃんが、言葉を話し始める時期が遅いことと似ています。

もの静かな両親のもとに産まれた赤ちゃんは、話せるようになるのが遅いだけで、話せないまま成長するわけではありません。

成長とともに外に出られるようになり、家庭内での音以外に耳に入ってくる情報が増えれば自然と話せるようになります。

同じように、大人になってからでもたくさんの音楽を聴くことで音程を聞き取る能力が養われ、正しい音を出せるようになるのです。

ここで大切なのは、聞き流すのではなく「しっかり聴く」ことです。

なんとなく聴いて、正しい音程があやふやなまま歌っていませんか?

CDやデバイスのボリュームを上げて原曲と一緒に大声で歌っていませんか?

正しい音程が分かっていないと雰囲気で歌ったり、ごまかして歌ったりするのが癖になってしまい、いつまで経っても正しい音を取れなくなります。

また、大きなボリュームで原曲と一緒に歌うのは、自分の歌が聞き取れないうえに、自分の音程が合っているのかどうかも分からなくなります。

原曲がかかっているために自分の音程が合っていると勘違いしてしまうことも問題です。

感覚性音痴の人は、歌うこと以前に音を聞き取る能力を高めていく必要があるので、音程があやふやなまま歌ったり原曲と一緒に歌ったりするのは、トレーニングとしてはおすすめできません。

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音痴の治し方練習方法

ここからは具体的な練習方法と参考になる動画を紹介していきます。

基本的なヴォイストレーニングと、聴く能力を上げるためのトレーニング方法を紹介します。

運動性音痴の人も感覚性音痴の人も、ぜひ両方のトレーニングをやってみてください。

時間のかかる作業ですがコツコツと続けることが改善への近道になります。

準備

<用意するもの>

  • ピアノ
  • チューニングメーター

どちらもスマホアプリで構いませんが、1台のスマホで下記のトレーニングを行うのは少し無理があるため、スマホとタブレットを用意するか、電子ピアノの購入をおすすめします。

<あると良いもの>

  • ボイスレコーダー
  • メトロノーム
  • 音程バーがあるカラオケのスマホアプリ

チューニングメーターを使うのが苦手な人はカラオケアプリを上手く利用してみてください。

基本的なヴォイストレーニング方法

基本的なヴォイストレーニングを簡潔にお伝えしますので、順番に練習していきましょう。

1.腹式呼吸

まずは腹式呼吸を習得しましょう。

腹式呼吸とは横隔膜の上下運動になりますが、息を吐くときの注意点があります。

これはイメージの問題ですが、同じ腹式呼吸でもヨガなどでは息を吐くときに下(大地)へ吐くようにイメージします。

しかし、歌うときは息が頭上から伸びていくイメージで行います。

2.発声練習①

腹式呼吸が出来るようになったら、その呼吸で声を出します。

メロディーはつけず、単音から始めましょう。

自分の出しやすい音で構いませんが、あまり低い音より少し高めの方がやりやすいと思います。

このときの発音は「は」で行います。「は」は初めから口が開いている状態なので、喉が開きやすいからです。

声を出す前に喉の開きを確認しましょう。

舌の付け根をぐっと下へさげて、舌がスプーンのような形になるのが理想です。

鏡を見ながら舌の形を確認しましょう。

やりにくい場合は上あごを上へ突き上げるイメージをしてください。

そうすることで、舌の付け根が下がりやすくなります。

喉に力が入ってしまうと、こもった声になるので喉の力を抜くように心がけてください。

喉がしっかり開いていることが確認できたら、そのまま声を出します。

腹式呼吸と同じように、息が頭上に伸びていくイメージで声を出します。

鼻や眉間、頭頂部に響きが感じられればOKです。

3.発声練習②

正しい発声が出来るようになったら、「は」以外の発音でも練習してみます。

その後「ドレミファソラシド」や「ドミソミド」などの音階をつけたり、ロングトーンを加えたりして練習してみてください。

ここまでのトレーニングは、基礎中の基礎なので、運動性音痴の人だけでなく感覚性音痴の人も行ってください。

感覚性音痴を改善するトレーニング方法

聞き取る能力を上げていくトレーニングになります。

音を聴くというより、響きを感じることがポイントです。

1.単音でのトレーニング

  1. ピアノで単音を弾いて、チューニングメーターで音を確かめます。ドなら「C」になるので、この「C」を覚えておきます。
  2. もう一度同じ音を弾きます。
  3. 弾いた音の響きを感じて、同じ音をハミングで鼻から声を出します。
  4. 3を2~3回繰り返します。
  5. ハミングで鼻から声を出したらゆっくり口を開けて口から声を出します。このときはハミングのままの小さい声で構いません。
  6. 5で口から出した声がピアノの音と合っているか、チューニングメーターで確かめます。
  7. 音が合っていたら、徐々に声量を上げていきます。このとき、声が不安定にならないようにお腹でしっかり支えましょう。
  8. ピアノの音と同じ音がハミングを使わずに一度で出せるようになるまで行います。
  9. 1~8を違う音でも練習してみましょう。

2.フレーズごとのトレーニング

  1. 歌いたい曲の原曲を聴いて、1フレーズずつピアノでメロディーを確かめ、チューニングメーターで確認します。このとき「ミソラ」→「EGA」等、メモしておいた方が分かりやすいでしょう。1フレーズが難しい場合は、1小節ずつ行います。
  2. ピアノで確かめたメロディーを一度弾いたあと、続けてピアノなしで歌ってみます。歌詞をつけても構いませんが、発音によって音が不安定になるようなら、「ま」や「な」で歌うと良いでしょう。
  3. 2をチューニングメーターで確かめながら歌ってみます。
  4. ピアノの音と同じ音程が出せるようになるまで行います。これを1小節ずつ分けて全部行います。とりあえず1コーラスだけでも構いません。1小節ずつ分けて行い、全部正しい音が出せるようになったら、少しずつ繋げて曲にしていきます。

曲を練習するときの注意点

1曲歌えるようになったら、自分の歌を録音して聴いてみることをおすすめします。

カラオケがある場合はカラオケを使って、ない場合は原曲をかけながらで構いません。

原曲をかけながら歌って録音する場合は、原曲の音量を下げて自分の声がはっきり聴こえるように録音してください。

録音した歌と原曲を聴き比べて、音程が外れているカ所があれば、そこを徹底的に練習し直します。

リズム音痴の人は、メトロノームを使って歌う練習をしましょう。

少々面倒な作業ですが、これをやるかやらないかで大きく変わってきます。

独学で歌を練習している人の中には「1曲通して歌って終わり」という人が多いのですが、これでは細かい部分のズレが分かりません。

細かく分けて苦手な部分を繰り返し練習することが、上達への近道なのです。

また、音痴に限らず、レッスンしてもなかなか歌が上達しない人に多い問題が「自分の歌声を録音しない」「録音しても聴き返さない」ことです。

自分の歌を客観的に聴くことも耳を鍛えるトレーニングのひとつです。

参考動画

トレーニングの参考になる動画を紹介しますので、動画を見ながらゆっくり時間をかけて練習してみてください。

【音痴の治し方】音程を正確にとれない3つの原因を徹底解説

  • 音痴の3パターンを解説
  • 自分の声をしっかり聴く方法
  • しゃくり・フォール・ビブラート禁止の理由
  • ボイトレに通う際の注意点

【音痴克服】5分で音痴が治る!いますぐ始める効果てきめんトレーニング

  • 音程が合わない人に向けた動画
  • ソルフェージュを使った練習方法を紹介

【ボイトレ】音痴を治すとっておきの練習法【カラオケ・歌が苦手な方へ】

  • 具体的なトレーニング方法は8:00~
  • 単音での練習法と音程の練習法

【見るだけでもOK☆相対音感を養うトレーニング動画】

  • ひとつ前の動画に出てくる「相対音感」のトレーニング動画
  • 聞いているだけで耳が鍛えられるので超おすすめ

音程が取れない、音痴の原因・相対音感、絶対音感とは?【赤羽式ボイトレ】

  • 音程が取れない原因について
  • 3つのトレーニング方法
  • チューナーの使いかたの解説

音痴は改善できるものですが、正しいトレーニング方法を行わないとなかなか思うような効果は現れません。

紹介した基本的なトレーニングは、音痴の改善だけでなく普段のウォーミングアップにも使える方法なので、歌う前にぜひ取り入れてください。

トレーニングしていてもどうしても自分ではよく分からない場合は、スクール等に通うことも検討してみましょう。

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