「歌うとき、息が長続きしなくて苦しくなる」
「思いきり好きな歌を歌いたいのに、どうしても喉に力が入ってしまう」
「いまいち曲のリズムにのれず、発音も聞き取りにくい」
こんな悩みをお持ちの方も「基本のやり方を知り、何度も反復練習をすること」で、改善することができます。今回は記事では、
- 横隔膜を動かし、息が長続きしやすくなる「腹式呼吸」と「ドッグブレス」
- 喉が力まないエクササイズの「リップロール」と「タングトリル」
- リズムにのり、響きのあるクリアな発音ができるようになる「リズムトレーニング」と「早口言葉」
以上の、6つの基本トレーニングを順番に解説していきますので、ぜひ日常の発声練習に活用してください。
腹式呼吸
腹式呼吸とは、横隔膜を大きく上下に動かすことによって、多くの空気を出し入れすることができる呼吸法です。
腹式呼吸というと「お腹で呼吸する」と、よく表現されますが、実際に空気を出し入れするのは「肺」です。
息を止めたとき、心臓は相変わらず「ドッドッド」と音を鳴らしているのに対し、肺は止まってしまう、といったように、肺は単体で活動ができないため、胸まわりや、お腹まわりの筋肉のいずれかを利用して呼吸をします。
この、お腹まわりの筋肉をメインに使って呼吸する方法が、「腹式呼吸」です。
腹式呼吸で使われる「横隔膜」という、図のドーム状の筋肉は、呼吸するにあたって以下の2つの動きをします。
- 息を吸うとき→横隔膜が収縮して、下にさがる
- 息を吐くとき→横隔膜がゆるんで、上にあがる
多くの空気を取り入れることができるため「喉を痛めにくい」「息が長続きしやすい」といった効果があります。
腹式呼吸のやりかた
腹式呼吸と聞くと「演劇」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
基本的には、「演劇」も「歌」も腹式呼吸のやり方は同じです。大きな違いは、演劇はマイクを使わないため「発声のボリュームが大きい」ということ。腹式呼吸で多くの息を使って声を支える、という課題は両者とも一緒です。
この章では、声の土台となる腹式呼吸を使って、横隔膜の動きや多くの空気を取り入れる感覚を、意識的に感じてみましょう。
腹式呼吸のトレーニング①
歌声&話し声が学べる「ココロウィズ」の、代表ボイストレーナーの早川直記さんの動画です。腹式呼吸〜より多くの息を吸う方法を解説しています。
『ここウィズちゃんねる』
レッスン:1:06〜
息を吐いて、力を抜く
1.息を「フゥーーー」と、しっかり最後まで吐ききる
↓
2.吐ききったら、力を抜く
このとき、息を吸おうとしない。力を抜いたら勝手に息が入ってくる感覚を身につける
より多くの息を取り入れる
1.息を「フゥーーー」と、しっかり最後まで吐ききる
↓
2.吐ききって、力を抜いて空気が入ってくるタイミングで、少し吸う
腹式呼吸のトレーニング②
オンラインヨガレッスンを開催している、Yogalogさんの動画です。仰向け・座った姿勢で、腹式呼吸をする方法を紹介しています。
『日本最大のヨガレッスン動画サイトYogalog』
レッスン:0:39〜
仰向けで腹式呼吸をする
1.仰向けになり、両手を軽く下腹部に当てる
↓
2.両手を押し出すように、深く息を吸う
↓
3.両手が元にもどるように、深く息を吐く
↓
4.5回くり返す
あぐらの姿勢で腹式呼吸をする
1.骨盤を立てるようにまっすぐ座り、目を閉じて、左手をヘソの下腹部にあてる
↓
2.両手を押し出すように、深く息を吸う
↓
3.両手が元にもどるように、深く息を吐く
↓
4.8回くり返す
毎日少しずつでも実践して、お腹を使っている感覚を掴んでいきましょう。
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ドッグブレス
ドッグブレス(ドギーブレス)とは、犬の息をマネをして、「ハッハッハッ」と呼吸をすることで、横隔膜を鍛える練習方法です。
呼吸の仕組みは腹式呼吸と同じで、より速く鋭く「息を吐く・吸う」をくり返します。横隔膜を上下にアクティブに動かすことで、
- より深く息を吐ける(吸える)
- 声量があがる
- アタック(音の出だし)がよくなる
といった効果が得られます。
ドッグブレスのやりかた
ここでは、基本のドッグブレス・ドッグブレスをテンポと音程に合わせる、の順番で、動画をご紹介していきます。
注意点として、ドッグブレスはやりすぎると酸欠になるため、しんどくない範囲で、日常的に横隔膜を動かすことに慣れていきましょう。
ドッグブレスのトレーニング①
歌声&話し声が学べる「ココロウィズ」の、代表ボイストレーナーの早川直記さんの動画です。ドッグブレスで、短く・長く、息を吐く方法を紹介しています。
『ここウィズちゃんねる』
レッスン:1:50〜
息を短く吐くトレーニング
1.手をお腹にあてる
↓
2.息を、「ハッハッハッハッ」と楽に吐く
↓
3.吐いたあと、力を抜き、お腹が自然に戻ってくる感覚をもつ
ゆっくり、小さく、「リラックス」を意識する
段々、スピードを早くしてみる
息を長く吐くトレーニング
1.手をまっすぐ伸ばし、人差し指を立てて、そこにローソクの火があるイメージをもつ
↓
2.息をお腹の深いところから「フゥー」と吐き、ローソクの火を消す
↓
3.息をお腹の深いところから、3秒間かけて「フゥー」と吐き、ローソクの火を消す
背筋でグッと支えるイメージがあると、息が安定しやすい
4.息をお腹の深いところから、5秒間かけて「フゥー」と吐き、ローソクの火を消す
ドッグブレスのトレーニング②
「新宿ボーカルスクール」を主催する、川上次郎さんのYouTubeです。
ドッグブレスを、BPMに合わせて、実践されています。
『Voice Lovers』
用意するもの:メトロノーム(無ければメトロノームのアプリ)
1.口と喉を大きく開けて、気道を開く
↓
2.メトロノームを70で流す
↓
3.「ハッハッハッハッハッハッハー」と、テンポに合わせて息を吐く
もし、苦しくなったら、吐く息と吸う息を同量になっているか確認する
慣れてきたら、メトロノームを100でチャレンジしてみる
ドッグブレスのトレーニング③
ボイトレスタジオ「VOICE OFFICE TOKYO」を主催している、山口もこさん。ドッグブレスを音階に合わせていく方法を紹介しています。
『Voice Office Tokyo【ボイトレスタジオ】』
用意するもの:ピアノ(無ければピアノのアプリ)
レッスン:1:50〜
1.「ハッハッハッハッハ」を2回
↓
2.スピードをあげて、「ハッハッハッハッハ」を2回
↓
3.さらに、スピードをあげて、「ハッハッハッハッハ」を2回
↓
4.ピアノを「ドレドミドファドソ」と弾きながら、「ハッハッハッハッハ」の音階を合わせる
5.「ドレドミドファドソ」の要領で、音階を上げたり下げたりしながら「ハッハッハッハッハ」のピッチを合わせていく。
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タングトリル
タングトリル(巻き舌)とは、上の歯の裏側あたりに舌先をそっとつけた状態で、息を吹き、「トゥルルルル」と舌を震わせる発声です。
声で発音するのではなく、吹いた息で舌が震えて、上顎へパタパタと周期的に当たることによって音が出ます。
タングトリルで安定的に息を吹き、舌を震わすことで
- 舌と声帯のストレッチになる
- 喉を開く練習になる
- 裏声が出しやすくなる
といったメリットがあります。
タングトリルのやりかた
以下の動画で、舌のストレッチ・ラクに息を吐きながら舌を震わせる練習をご紹介します。
手早く喉と舌のストレッチができるので、歌う前のアップとしておすすめです。まだ習得できてない方は、毎日少しの時間でもトライしてみましょう。
タングトリルのトレーニング①
藤嶋拓未(ふじしまたくみ)さんは、音楽レッスンスタジオCanaria Music Studioの、代表講師のボイストレーナーです。舌のストレッチ・舌のまわる感覚をつかむ方法が、細かく解説されています。
『藤嶋拓未の歌唱塾』
準備するもの:歯ブラシ
レッスン:2:55〜
舌の位置を確認する
1.「Da・Di・Du・De・Do」を発音する
↓
2.発音を続けながら、舌先の位置を、歯の裏→上顎のヘコみのある箇所にずらしていく
↓
3.少しこもった音になる箇所が、舌先のベストポジション。この場所をキープする
ウォームアップ
1.舌を左に5周、右に5周まわす
↓
2.舌を5秒間、ベーッと前に突き出す
ウォームアップ後に舌が疲れた感覚があったら、舌の筋力が弱目の可能性あり。毎日最低1回やってみる
エクササイズ1
1.「らりるれろらりるれろ」と発音
そのあと「りるれろら」「るれろらり」「れろらりる」「ろらりるれ」も同様に2回くり返す
↓
2.「られりるれろらろ」を2回
↓
3.「らりらりらりらりらり」を1回
そのあと「らる」「られ」「らろ」も同様にくり返す
↓
4.「DoらDoらDoらDoらDoら(ドゥラ)」と発音
そのあと「Doり(ドゥリ)」「Doる(ドゥル)」「Doれ(ドゥレ)」「Doろ(ドゥロ)」も同様にくり返す
↓
5.「ToらToらToらToらToら(トゥラ)」
そのあと「Toり(トゥリ)」「Toる(トゥル)」「Toれ(トゥレ)」「Toろ(トゥロ)」も同様にくり返す
エクササイズ2
1.「とろろ」を3回発音
例:「とろろとろろとろろ」
↓
2.「ぶんぶんぶんはちがとぶ」の「ぶ」の後に「る」を入れる
例:「ぶ(る)ん ぶ(る)ん ぶ(る)ん はちがとぶ(る)ん」
↓
3.「はちがとぶ」の語尾に、母音の「ラ行」を毎回入れる
例:「は(ら)ち(り)が(ら)と(ろ)ぶ(る)ん」
エクササイズ3
1.舌裏の中央に(縦ラインの筋の上あたり)、歯ブラシの柄の先端をあてながら「Do」と発音する
その状態のまま、歯ブラシを左右にかるく振りながら「Doーーーーーー」と続ける「ドュrrrrrr」といった音になる。舌を脱力するとうまくいきやすい
エクササイズ4
1.「ラ行」の前になにか言葉をつけて、勢いよく息をふいて伸ばしてみる
例:「はる」だと、「はるrrrrr」といったタングトリルの音になる。
コツは、舌先を上顎(Doの発音でこもった音になる場所)へもっていくこと・息の強さは、ロウソクの火を消すときのように、フッ!と吹く
↓
2.「ふる」「とろろ」「ぶるる」も同じように、語尾に「rrr」がつくように発音してみる
↓
3.怒った人のように「コラァ!」を発音してみる。
「コ」にアクセントをおくと、タングトリルになりやすい
タングトリルのトレーニング②
歌声&話し声が学べる「ココロウィズ」の、代表ボイストレーナーの早川直記さんの動画です。タングトリルを長くラクに発声する・裏声につなげる方法を紹介しています。
『ここウィズちゃんねる』
レッスン:0:33〜
1.長くラクに、息を吐くように「ルルルrrrrrrr」と巻き舌を、5回くり返す
↓
2.裏声で同じく、「ルルルrrrrrrr」と巻き舌を、5回くり返す
↓
3.裏声から低音まで、音階を下げていくように、「ルルルrrrrrrr」と巻き舌を、2回くり返す
↓
4.「昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました」を頭の中で言っているつもりで、口角を変えながら「ルルルrrrrrrr」と巻き舌を、2回くり返す
↓
5.タングトリルの呼吸のまま、普通に「昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました」の発音を2回くり返す
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リップトリル
リップトリル(リップロール)とは、唇を軽く閉じた状態で息を吹き、「プルプルプル」と唇を震わせる発声です。
仕組みとしては、息を吹いて舌を震わせるタングトリルに似ており、得られる効果も似ています。
- 唇のストレッチになる
- 喉を開く練習になる
- 裏声が出しやすくなる
リップトリルは、脱力して口を閉じるだけでは震えず、適度に上唇側の表情筋をキープする必要があります。
リップトリルのやりかた
以下の動画で、リップトリルをするために必要な、安定した息の量と表情筋の使い方を解説します。
タングトリルと同様、まだできない方は毎日少しずつでも練習してみましょう。
リップトリルのトレーニング①
歌声&話し声が学べる「ココロウィズ」の、代表ボイストレーナーの早川直記さんの動画です。息を吐く〜リップトリルにつなげる方法を解説しています。
『ここウィズちゃんねる』
レッスン:1:52〜
脱力して息を吐く
1.目の前に、バースデーケーキのキャンドルが3本火がついてるのが立ってるイメージをもつ
↓
2.息を吹きかけて、火を消していくイメージで、息を「フゥーーー」と5回くり返す。
↓
3.同じように、息を「フゥーーー」と吐いたあと、力を抜いて、自然と息を吸う。5回くり返す。
力んでしまうようであれば、「開放的」をイメージして(温泉に浸かっているなど)、同様に、息を吹いて、吸う
ほっぺたに指をおいて、息を吐く
1.両手をピースにし、指の間を閉じる。閉じた指を、少しおさえるように、口の両横におく
↓
2.リップトリルを5回くり返す
↓
3.声をのせて、リップトリルを5回くり返す
息の量はあくまでも、リップトリルのときと変えない
リップトリルのトレーニング②
2019年のJOYSOUNDのカラオケ全国大会決勝にてTOP10入りを果たした、ボイストレーナー千葉敬太さんのYouTubeです。リップトリル〜音階に合わせていく方法を、解説しています。
『けいたんの歌うま増やします』
レッスン:5:30〜
1.アヒル口をして、「う」と「お」の中間あたりを発音するように、「プルルrrrr」と、タングトリルをしてみる
↓
2.ほっぺたを両手で軽く持ち上げながら、「プルルrrrr」を発音してみる
↓
3.両手なしで、息だけで「プルルrrrr」
↓
4.声を乗せながら10秒リップロール
できなければ、両足を上下にぶらぶら揺らしながら、リップトリルをしてみる
↓
5.「ドー」「レー」「ミー」など、1つの音で、リップトリルをやる
↓
6.「ドレミレド」など、音をつなげて、リップトリルをする
↓
7.「さいた さいた チューリップの花が」を、リップトリルでやってみる
↓
8.「プルルrrrrあーー」など、リップトリルから母音に変えていく
「あ・い・う・え・お」で、くり返す
↓
9.「さいた さいた チューリップの花が」の出だしを、「プルルrrrrいたーープルルrrrrいたーープルルrrrrリップの花が」など、音の頭に、リップトリルを入れる
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リズムトレーニング
リズムトレーニングは、一定に刻まれたリズム上で、さまざまなリズムパターンを、手拍子や発声などで捉えていく練習方法です。
たとえば、メトロノームの針を見なくても、「カッカッカッカッ」と、音が鳴るタイミングが予想でき、狙ったタイミングで手拍子ができる人は「リズム感がある」といわれたりします。
歌を歌うときに、代表的に意識することは「音程」と「リズム」ですが、「太鼓の演奏は、ほぼ同じ音程なのにカッコいい」といったように、リズムがバシッと決まるだけでも、歌は格段にうまく聞こえます。
リズムトレーニングのやりかた
ここでは、王道なリズムの種類を知り、実際に手拍子や声を合わせて練習する方法をご紹介します。
リズムトレーニング①
楽譜の読み方が学べるコミュニティサイト「おんたす楽譜教室」が発信している動画です。メトロノームのリズムに合わせて、手拍子を入れていくトレーニング方法が紹介されています。
『音大卒があなたのお困り助けます。』
用意するもの:メトロノーム(無ければメトロノームのアプリ)
1.メトロノーム100で、拍の頭で、アクセントをつける
↓
2.1拍を、音符1つで「タン タン タン タン」を発音
↓
3.1拍を、音符2つで「タッタ タッタ タッタ タッタ」を発音
↓
4.1拍を、音符3つで「タタタ タタタ タタタ タタタ」を発音
↓
5.1拍を、音符4つで「タカタカ タカタカ タカタカ タカタカ」を発音
↓
6.反復して、④〜①をくり返す
リズムトレーニング②
『いくチャンネル』
「わかりやすく親しみやすく」をモットーに明るく元気に、歌に役立つトレーニング方法をYouTubeで発信しているいくみさんの動画です。手拍子に、声も入れて、リズムをとる方法が学べます。
『いくちゃんねる』
トレーニング:1:25〜
1.メトロノームを50で流す
↓
2.メトロノームの音と音の間で、「1234、1234」と声に出す
↓
3.続けて、「1234、1234」と言葉に出しながら、「1」のタイミングで、手を叩く
↓
4.同様に「2」のタイミングで、手を叩く
↓
5.同様に「3」のタイミングで、手を叩く(3が裏拍)
↓
6.同様に「4」のタイミングで、手を叩く
↓
7.慣れてきたら、「1」などのタイミングで、意識的にアクセントを入れてみる
リズムトレーニング③
オネエ系ボイストレーナーで人気の『しらスタ【歌唱力向上委員会】』を運営されている、白石涼さんのYouTubeです。
手拍子へのひと工夫で、さらにリズムをとりやすくなるコツを紹介されています。
トレーニング3:00〜
1.曲の、2拍目と4拍目で、手拍子を入れる
↓
2.次の手拍子までの間、ギリギリまで手を離さない。
リズムの感覚を掴むため、毎日行うのが理想です。ウォークマンとメトロノームのアプリがあれば、通勤中もリズムトレーニングができますね。
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早口言葉/滑舌の練習方法
早口言葉は、言いにくい言葉を噛まないように早く喋ることで、滑舌をクリアにする発声練習です。
このトレーニングが必要な理由は、日本語は喉のあたりで発音ができてしまうことにあります。
たとえば、英語で『A・B』を発音するためには、口を縦に開け、下顎を閉じながら「エィ」→唇を強めに閉じ、強い息で唇を押し放つように破裂させ「ビー」というように、口元を大きく動かします。
日本語だと、口の形が少しは変わるものの、つぶやくほどの口の動きで「エービー」が発音できてしまいます。
日常的に口や舌をはっきり動かす機会が少ないまま歌へ移行してしまうと「歌詞が聞きとりづらい」ということにつながってしまいます。
早口言葉/滑舌のやりかた
ゲームとして活用されることの多い早口言葉ですが、ここでは「ゆっくりでクリアに言えたら早くする」を意識して、じっくりトライしてみましょう。
早口言葉/滑舌のトレーニング①
歌声&話し声が学べる「ココロウィズ」の、代表ボイストレーナーの早川直記さんの動画です。初級〜中級の早口言葉が、網羅して紹介されています。
『ここウィズちゃんねる』
1.「なまむぎ なまごめ なまたまご(生麦 生米 生卵)」
↓
2.「ろうにゃく なんにょ(老若男女)」
↓
3.「あかぱじゃま きぱじゃま ちゃぱじゃま(赤パジャマ 黄パジャマ 茶パジャマ)」
↓
4.「あおまきがみ あかまきがみ きまきがみ(青巻紙 赤巻紙 黄巻紙)
↓
5.「となりのきゃくはよくかきくうきゃくだ(隣の客は よく柿食う客だ)」
↓
6.「このくぎは ひきぬきにくい くぎだ(このクギは引き抜きにくいクギだ)」
↓
7.「まじゅつし まじゅつ しゅぎょうちゅう(魔術師 魔術 修行中)」
↓
8.「ふこうなふうふは ふるいふく(不幸な夫婦は 古い服」
↓
9.「だいいちちょしゃ だいにちょしゃ だいさんちょしゃ(第一著者 第二著者 第三著者)」
↓
10.「うちのつりびんは つぶれぬつりびん となりのつりびんは つぶれるつりびん(うちの釣り瓶は 潰れぬ釣り瓶 となりの釣り瓶は 潰れる釣り瓶)」
↓
11.「にわには 2わ にわとりがいました(庭には 2羽 ニワトリがいました)」
↓
12.「とうきょう とっきょ きょかきょく きょかきょくちょう(東京 特許 許可局 許可局長」
↓
13.「おあやや やおやに おあやまり(お綾や 八百屋に お謝り)」
↓
14.「かえるぴょこぴょこ みぴょこぴょこ あわせてぴょこぴょこ むぴょこぴょこ」
↓
15.「このすしは すこし すが ききすぎた(この寿司は 少し 酢が効きすぎた)」
↓
16.「このくいのくぎは ひきぬきにくい(この杭のクギは引き抜きにくい)」
コツは、早口言葉だけど、早く言おうとせず、1音1音しっかり作るイメージをもつ。慣れてきたら、2連続でやってみる。
早口言葉/滑舌のトレーニング③
同じく、早川直記さんの動画です。ペットボトルを歯で噛みながら発声する、早口言葉のトレーニングです。難易度は上級です。
『ここウィズちゃんねる』
用意するもの:空のペットボトル
トレーニング:2:52〜
ペットボトルを使った練習
1.「らりるれろ」を3回
↓
2.ペットボトルを噛んで「らりるれろ」を3回
↓
3.ペットボトルを離して「らりるれろ」を3回
以下、1〜3の流れで、くり返す
「られりるれろらろ」を3回
↓
「られりるれろらろ らりるれろ」を3回
↓
「られりるれろらろ ろらろれるりれら」を3回
↓
「らりるれろ りるれろら るれろらり れろらりる ろらりるれ」を2回
↓
「ラバかロバかロバかラバか分からないので ラバとロバを比べたら ロバかラバか分からなかった」を1回
↓
「アンリ・ルネ・ルノルマンの流浪者(るろうしゃ)の群れ」を2回
↓
「イライラするから笑われる ダラダラするから侮(あなど)られる」を2回
ペットボトル無しで発声
「おはようございます」「昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました」を発音する
レッスン前より、発音のしやすさが実感できるはず。おすすめのトレーニングの頻度は、毎日です。