歌うときの共鳴の響かせ方/練習方法

歌うときの共鳴の響かせ方/練習方法

「歌を上手く歌えるようになりたいけど、どの練習方法が効果的なのかわからない…」
と悩んでいませんか?

人前で歌って恥ずかしい思いをしたり、カラオケなどで人前で歌うことを避けてきた人は、どこか苦手意識が拭えないはずです。

今回の記事で紹介する「共鳴」について理解すれば、これまでの練習では上手くならなかった人も、上手く歌えるコツを掴めるかもしれません。

共鳴には、「鼻腔共鳴」、「咽頭共鳴」、「口腔共鳴」があるので、詳しく解説していきます!

共鳴とは

日常生活で、「共鳴」はあまり耳馴染みのない言葉ではないでしょうか。
共鳴とは、声が響く空間のことをいいます。

歌っていると、声が響いている感覚が、なんとなくわかっている人は多いですよね。
声を響かせることで、綺麗な声を遠くまで届けることができます。
自分の体を楽器のように、どこに響かせるかによって、声をコントロールできます。

ここでは、共鳴の種類を詳しく解説していきます!

・鼻腔共鳴
鼻腔共鳴は、鼻の奥に響かせて、声を出す方法のことです。
鼻腔共鳴ができるようになると、高音が響きやすく、出しやすくなります。
声が響いていないとどうしても声が詰まっていて、聴いていて心地よくない声になるので、鼻腔を響かせる感覚を掴めるようになると、歌える楽曲の幅が広がります。

・咽頭共鳴
咽頭共鳴は、喉仏を低くし、胸を響かせる方法のことです。
喉仏を下げることで、空間が広がり声が響きやすくなります。
咽頭共鳴ができるようになると、低音域の声が出しやすくなります。太い声が出て、体全体で響いているような、深いパワフルな印象になるでしょう。

・口腔共鳴
口腔共鳴は、口の中を響かせる方法のことです。
口腔共鳴を使えるようになると、中音域が響きやすくなります。
舌を下げ、喉の奥まで見えるように口を広げることで、響く空間を大きくします。
口腔共鳴ができるようになると、歌の中で1番使う中音域を響かせられるので、全体的に響きのある美しい声になります。

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共鳴の練習方法

共鳴の種類は3種類あり、できれば全て身につけたいですよね。共鳴する感覚がわかると、どの曲を歌っても一定レベルの歌を歌えるようになります。

また、共鳴させる際は、必ず腹式呼吸で発声をします。
上手く共鳴ができない場合は、腹式呼吸ができていないことが多いので、呼吸法から確認してみましょう。

共鳴の練習方法について詳しく解説していきます!

鼻腔共鳴の練習方法

口を開け「ネェイ」と発声しながら、鼻を触ります。
鼻が震えている感覚があれば、共鳴できています。

女性トレーナー/加藤先生
東京 ボイストレーニング教室TRENTA講師
プロミュージシャンとしても活動

【トレーニング方法】
・胸と鼻に手を当て、どちらに声が響いているか確認する。
・「ネェイ」と発音しながら、ふざけて甘えた声を出す。
・鼻腔を触りながら、響きを感じる。

・好きな歌を「ネェイ」で歌いながら、鼻腔に響いているか確認する。

→高い声がラクに出せる。
→可愛くて甘えた声になる。

男性トレーナー/東本先生
4000人以上のボイストレーニングを実施。

【トレーニング方法】
・「ンーー」とハミングをして、鼻の真ん中に声を集めるイメージ。

・「ンーーヌーーアーー」と徐々に切り替えていく。
・「ンーーーナ」と鼻に手を当て、響いているか確認する。
・響く場所がわかったら「ナ」の発音で練習する。


→声を集める感覚を掴む。
→共鳴は鼻腔共鳴から練習するのがわかりやすい。

→鼻腔共鳴ができるようになると、他の共鳴もマスターしやすい。

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咽頭共鳴の練習方法

喉仏を下げ、「アーー」と低めの声を出します。胸に手を当て、響いている感覚があれば、共鳴しています。

女性トレーナー/渓 – Kay先生
シンガーソングライターとボイストレーナーとして活動

【トレーニング方法】
・息を吐き切り、最後に「ウッ」と発声する。

・低音域で「ウウウエエエエオオオオー」と全ての母音で練習してみる。

・首、肩の力を抜き「アーー」とテンション低く喉で声を鳴らす。
・鳴りにくい人は、あくびして「オー」とクレヨンしんちゃんみたいに声を出す。

・響く場所を指差しながら、口の中から喉に響きを移動させる。
・歌いはじめのAメロで練習する。

→しゃべるようにナチュラルに歌えるようになる。

→低音を磨くと、表現力がアップする。

→声の響きがふくよかになる。
→歌い出しが上手く歌えるようになる。

女性トレーナー/Aya

【トレーニング方法】
・喉の奥にピンポン玉をイメージする。
・喉仏を下げる。

・わからない場合は、唾を飲み込んで喉の動きを確認する。

→声が枯れてしまう人は共鳴ができていない。

→パワフルで、力強い歌声から、やさしい柔らかな声まで出せるようになる。

→オペラ歌手みたいな声が出せるようになる。

男性トレーナー/翔先生
声楽科卒業後、複数のバンドを経て、プロとして活動

【共鳴の説明】
・咽頭共鳴は声が太くなる
・口腔共鳴と咽頭共鳴を組み合わせるとドライブ感が出る
・共鳴を組み合わせることができる

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口腔共鳴の練習方法

舌を軽く下げ、「ホオーー」と声を出します。喉に手を当て振動していれば、共鳴しています。

女性トレーナー/渓 – Kay先生
シンガーソングライターとボイストレーナーとして活動

【トレーニング方法】
・「マ」と発音し、口の中を鳴らす。
・「メァ」と発音し、上顎のどこに当てるのか心地居場所を探す。
・「ア」と低い音を出し、喉の奥を鳴らす。


→低音と高音をつなげる役目

→地声にも裏声にも使える。

男性トレーナー/東本先生
4000人以上のボイストレーニングを実施。
東京芸能学園講師

【トレーニング方法】
・「ヒッ」と「ホッ」と発音を繰り返し、どこに響いているか確認する。
・「イイイイイ」と発音し、響いている位置を確認する。
・舌に力が入らないように注意する。
・「ア」の口を作り「ハ」っと息を吸い、その時の口の開き方で練習する。

→硬さと柔らかさを両立した音色が出る。
→共鳴感がとても強い。

→息の吐いてる量は同じでも、残響感が全然違う。

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男性歌手


ONE OK ROCK /Taka

・経歴の紹介
ONE OK ROCKのボーカル。
メジャーデビュー後、アジア3都市、ヨーロッパ・アジアツアー。ワールドツアーに参加している。

・楽曲/Wherever you are

・聴き所
欧米人ボーカリスト並みの鼻腔共鳴。
力強い高い声


秋川雅史
・経歴の紹介

国立音楽大学大学院修了後、イタリアのパルマで修行。
2001年にコロンビアからテノール歌手としてデビューし、2006年「千の風になって」でNHK紅白歌合戦に初出場。

・楽曲/千の風になって

・聴き所
参考にしたいのは、咽頭共鳴。
クラシック的な響き


玉置浩二
・経歴の紹介

1982年安全地帯としてメジャーデビュー。シングル「ワインレッドの心」がヒット。ソロ活動も並行して行う。

・楽曲/ラインレッドの心

・聴き所
低音域の鼻腔、口腔共鳴、高音域にかけて咽頭共鳴を使っていて、バランスよく共鳴を使い分けている。


スピッツ

・経歴の紹介

スピッツのボーカル、ギター、草野マサムネ
1991年メジャーデビュー。1995年11枚目のシングル「ロビンソン」がオリコンチャートTOP10にランクインし、162万枚を超えるヒットを記録。そのほかにも「チェリー」や「凪沙」など多数のヒット曲を出している。

・楽曲/ロビンソン

・聴き所
聴き心地のいい鼻腔共鳴。
サビの高音。

藤井風

・経歴の紹介

YouTubeでピアノ弾き語りの動画をアップし、話題になる。2020年シングル「何なんw」でメジャーデビュー。2021年シングル「旅路」がテレビドラマ「にじいろカルテ」の主題歌に起用される。

2021年デビューから2年で紅白初出場を果たしている。

・楽曲/きらり

・聴き所

ナチュラルな低音(咽頭共鳴)。

上下の共鳴をコントロールしている。

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女性歌手


MISIA

・経歴の紹介
1998年「つつみ込むように…」でメジャーデビュー。2000年やまとなでしこの主題歌「Everything」がヒット。

・実際の曲/Everything

・聴き所
口腔や鼻腔の上方向への響き
咽頭共鳴の下方向の響き
共鳴のコントロール


中島美嘉

・経歴の紹介
2001年傷だらけのラブソングの主題歌「STARS]で歌手デビュー。
2002年ファーストアルバム「TRUE]がオリコン初登場1位を獲得。

・楽曲/ORION
https://www.youtube.com/watch?v=q7GFtKuEQik

・聴き所
息と声が上手く混ざり合った鼻腔共鳴
口や鼻腔など、空間を上手く使いこなしている


YUKI
・経歴の紹介

1993年JUDY AND MARYボーカルとしてデビュー。「そばかす」がオリコン1位を獲得。
2002年本格的なソロ活動開始。

・楽曲/JOY

・聴き所
中音域から高音域の鼻腔共鳴。
鼻腔共鳴を使ったミックスボイス。

Aimer

・経歴紹介

2011年シングル「六等星の夜/悲しみはオーロラに/TWINKLE TWINKLE LITTLE STAR」でメジャーデビュー。2022年「残響散歌/朝が来る」がテレビアニメ「鬼滅の刃」のオープニンテーマに起用される。

・楽曲/残響散歌

・聴き所

下方向に響く低音(咽頭共鳴)。

フレーズごとに自由自在にコントロールしている表現力。

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共鳴を習得すれば、どんな歌も自在に歌えるようになる!

ボイトレ初心者の人は、声が響く感覚を理解することが、歌が上手くなるための1番の近道です。

そのためには、共鳴をトレーニングする必要があります。

「気持ちを込めて歌っているのに、なぜか聴いている人に届いていない…」

「歌っている本人が気持ちよくない…」

そんな悩みがある人は共鳴を習得すれば、歌っている本人も、聴いている人も心地いい響く歌声で歌えるようになります。

「共鳴」という言葉で聞くと難しいイメージを持ってしまうかもしれませんが、一度習得すれば応用が効き、歌える楽曲の幅を広がります。

今の歌声に自信がなくても、声を響かせられるだけで、「上手い」と聴いている人から言ってもらえることが増えるので、コツを掴めるまで練習してみましょう。

ボイトレ初心者にありがちなのが、叫んで歌ってしまうタイプの人です。

バンドのように、マインド重視の歌い方が合っているなたら問題はないですが、「本当は歌い上げたい」「いい声で歌えるようになりたい」と思っているなら、共鳴はマスターした方がいいでしょう。

歌った後に、喉を痛めてしまう人も、響きが足りない可能性が高いので、共鳴のトレーニングを取り入れてみてください。

表現の幅が圧倒的に広がるので、「共鳴」をマスターして、歌うことを楽しめる人になっていきましょう!

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