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八丈太鼓は古くから八丈島で叩かれている郷土芸能の太鼓です。
起源は江戸時代といわれています。
八丈太鼓の特徴は、太鼓を横向きにして台座の上に乗せ、太鼓の両面から2人で叩きます。
1人は下拍子(下打ち)といって、八丈太鼓の4つのリズムを正確に叩き、もう1人は上拍子(上打ち)といって、下拍子の叩くリズムに乗せて、自分で手(フレーズ)を考えて太鼓を打ちます。
自分で手を考えて・・・と聞いて驚かれる方もいらっしゃると思いますが、打ち手が『自由奔放に太鼓を打ち鳴らす!』というのが八丈太鼓の最大の魅力であり、また、それが他の郷土芸能の太鼓とは大きく一線を画しているところです。
八丈太鼓を音楽に例えるならば、まさにジャズそのもの。
奏者の華麗なバチさばき、勇壮で力強い打ち込み、見事なフチ打ち、そして一気にスピードアップして最後はピタッと決まるフィニッシュ!
見ている人はただただ圧倒されて言葉を失い、そして誰もがその素晴らしい演奏に魅了されてしまいます。それが八丈太鼓です。
しかしながら、そんな八丈太鼓も昔は随分と様式が違ったようです。
昔は大勢の人が集まる盆踊りのときなどに、太鼓を松の木の枝に吊るして叩いていたようです。
太鼓の周りには大勢の女性や子供たちが集まり、先を争うようにして太鼓を両面から叩き、その拍子に合わせて唄が歌われました。
八丈島では、太鼓を叩きながら拍子に合わせて歌う唄を「つがる」といい、明治末期から大正時代にかけては「太鼓甚句」、そして現在では「太鼓節」と呼ばれています。
「太鼓叩いて 人様よせて 儂も逢いたい 方があるよ」
「三根倉の坂 坂真ん中で 出船ながめて 袖しぼるよ」
太鼓甚句は今の太鼓節とほとんど変わりありませんが、つがるは今の太鼓節とは歌詞・節ともにかなり異なっていたようです。
八丈太鼓の「本ばたき」では、この太鼓節が演奏中によく歌われますが、その独特の歌詞と節も八丈太鼓の魅力の1つになっています。
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